キャンパスマスタープラン2022
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本学では約81万m²の施設を保有しており、その内訳は部局が管理・運用する教育研究スペースが約41.6万m²、大型プロジェクト等に配分する戦略的スペース、競争的資金を用いて行うプロジェクト研究等に配分する公募スペース、産学連携研究に配分するスペース、全学で共通的に利用するスペースとして本部が 運用する総長裁量スペースが約6.6万m²、その他(図書館、体育館、病院など)のスペースが約32.9万m² となっている。(図4-5)教育研究スペースの内、施設の利用実態に係る現地調査では、2019年度時点で少なくとも約7千m²が有効活用状況や維持管理状況が適切ではないとされていた。上記は明らかに適切に有効活用できていないと判断できるスペースのみの数字となっており、実際は不用な実験機器が残置されたスペース、利用人数や研究内容に即していない面積の居室等、有効活用の余地 があるスペースは潜在的に存在するものと思われる。大型プロジェクト、若手研究者や博士課程学生の支援、産学連携研究等のためのスペースについては、常に多くの需要があり、現状においても戦略的に配分できるスペースが慢性的に不足しており、需要に対応しきれていない状況にある。東海機構が発足し、両大学の強み・特色を生かした教育研究を推進し、機構として発展をしていくことが国や地域社会から一層求められている中、両大学の機能を最大限発揮していくためには、施設の面においても、保有資産を最大限有効活用し、さらなる戦略的なスペースマネジメントに取り組んでいく必要がある。東海機構の発足に合わせ、アカデミック・セントラルが発足されるなど、機構全体で教育改革への機運が高まっており、より効果的なものとするためには、今後の教育の方向性についてソフト面だけでなく、教育スペースの質的転換などのハード面も含め、両方の視点から大学全体で検討していく必要がある。学生の主体的な学びを促すアクティブラーニングに対応したフレキシブルな教育スペースや、反転授業、オンライン講義に対応した自学自修スペースやアクセスポイント、個別ブースなど、将来的な教育の方針を踏まえ、従来型の講義室について、質の見直しを図っていく必要がある。また、今後のWITH/AFTERコロナを踏まえても、対面と遠隔のベストミックスによる講義など、新たな教育の進展が予想される。これらのことからも、従来型の講義室の配分を見直していく必要があると言える。※1 ランニングコスト:完成後の建物を維持・運用・管理するために必要な光熱水費、保全費、管理費、修繕費などの総費用。081▲図4-5 大学全体での用途区分ごとの面積(万m²) 1|スペース利用状況の実態2|スペースに関する課題❶ 慢性化する教育研究スペースの不足❷ 教育改革・WITHコロナへの対応4-2-2 スペースマネジメント

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