キャンパスマスタープラン2022
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本学が保有する土地・建物の資産を経営資源とし、最小限の費用で最大の効果を生むために、戦略的な仕組みとしてファシリティマネジメントを推進する。ここでは、厳しい財政状況のなかで経営に貢献するファシリティマネジメントの施策として、持続可能な施設の更新・改修・運用のためのライフサイクルマネジメントによる施設の維持管理(4-2-1)、スペースマネジメントによる施設の有効活用(4-2-2)、アセット マネジメントによる宿舎等資産の有効活用(4-2-3)について記述する。2021年 5月時点の本学の保有面積は、東山キャンパスでは約49.3万m²(必要面積約 54.6万m²)、鶴舞キャンパスでは、約21.8万m² (必要面積約 21.7万m²)、大幸キャンパスでは約3.1万m²(必要面積約2.5万m²)で、6 年前に比べ大学全体で約2.3万m²増加している。整備率としては約96%で順調に整備が進ん できたと言える。一方で、学内全体の建物面積に対して、改修時期の目安となる建築後25年以上を経過する建物の割合は約52% (約34.1万m²)を占め、そのうち約19.3%(約12.7万m²)が未改修である。また、今後さらに 10年経過すると建築後 25年以上を経過した未改修の建物は急増し、建物の割合は約40%(約26.2万m²)となり、現下の厳しい財政状況においては、従来の改築を中心とした老朽化対策では改修に対応しきれない 建物が大幅に増加する。このように、キャンパスの規模は拡大している一方、国立大学は厳しい財政状況下にあり、老朽化対策の整備が遅れ、教育研究環境への支障を及ぼす事態をはじめ、安全・安心なキャンパス環境が確保できない恐れがあり、限られた予算内でも将来にわたり効率的・効果的な維持管理を実現していく必要がある。現在の財務状況からみて、従来手法で施設・設備を更新・維持していく費用を確保していくことは困難であることから、施設の長寿命化のための施策やその財源の確保、施設運営費の削減の努力、施設面積の適正化などによる、ライフサイクルマネジメントが必要である。先般、文部科学省において、施設の長寿命化に向けた基本的な考え方が示され、施設の耐用年数は100年程度(80〜100年)を目標と考え、20〜25年程度の間隔で性能維持改修(設備(空調等)の更新や屋 上・外壁等の改修)を実施し、建築後40〜50年後には機能改修と併せた大規模改修を実施することとされた。本学においても、前述の方針を踏まえ、「施設の長寿命化」へ転換を図り、建物改修費は増加するものの、建て替え費用を大幅に抑え、ライフサイクルコスト全体を抑制していく必要があり、この度、ライフサイクルスパンを含めインフラ長寿命化計画の見直しに着手したところである。0791|施設の規模・状況等2|更新・改修周期の見直しによる施設の長寿命化4-2-1 ライフサイクルマネジメント4-2 ファシリティマネジメント(FM)

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