キャンパスマスタープラン2022
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キャンパスや施設という経営資源を活用して、大学のミッション達成に貢献し、「世界水準のサステイナブルキャンパスへの創造的再生」を実現するための活動がキャンパスマネジメントである。CMP2022において、キャンパスマネジメントは計画を実現するための仕組みであるとともに、キャンパスマネジメントの各施策そのものも重要なアクションプランとなる。キャンパスマネジメントは、対象とするマネジメントの目的に応じて、ファシリティマネジメント (FM)と、デザインマネジメント(DM)、エネルギーマネジメント(EM)の3つに分けられる。それぞれのマネジメントは目標を設定し、その達成度を評価する目標管理の考え方に基づいている。 そしてその目標管理の項目としては、品質(クオリティ)、供給(スペース)、財務(コスト)の3つが挙げられる。また、これらの3つは相互に関連しており、その調和を図ることが必要となる。さらに目標の達成 を目指す管理を行うためには、根拠に基づく適切な評価を行うことが必要であり、科学的な手法や固有の 知識が重要である。FM、DM、EMは、それぞれこうした3つの目標を念頭に置いてマネジメントすることを共通の方法とする。例えばFMにおいては、高度成長期に大量に建設された施設のストックが老朽化するなかで、いかに質の高いサービスを提供していくかという視点をもって、施設の「供給」目標を設定し、その施設の「品質」を良好に維持し、財源が不足する状況で「財務」目標を達成するというマネジメントを行う。本学では,教員組織である施設・環境計画推進室等と職員組織である施設統括部との教職協働のもと,キャンパスマネジメント体制を構築している。教員は教育・研究分野を担い、職員は運営を担う組織のため、キャンパスの施設整備・維持管理の実務は職員組織が担うこととなるが、本学における教員と職員の教職協働では、教員の研究成果に基づくエビデンス及び建築・設備の専門的知見と、職員が把握している施設実態と課題から、戦略的なキャンパスマネジメントを実践している。また、総長のリーダーシップによるガバナンス改革を推進するため、2016年4月、総長の下に「キャンパスマネジメント本部(現キャンパスマネジメント推進本部)」を設置し、各部局の長や本部事務局の各部長等を構成員とすることで、キャンパスマネジメントに関する企画・立案機能を強化し、全学的な見地 でキャンパスマネジメントを実践する体制を構築している。これらの継続的な教職協働によるキャンパスマネジメントの構築と実践が、日本建築学会賞(業績)、イン フラメンテナンス大賞の受賞など、外部から高い評価を得ており、今後もこれらの取組を継続、進化させていく必要がある。077▲図4-2 キャンパスマネジメントにおける3つのマネジメント1|キャンパスマネジメントにおける3つのマネジメント2|教職協働によるマネジメント体制(図4-3参照) 4-1-2 CMP実現のためのキャンパスマネジメント

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