キャンパスマスタープラン2022
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• 学内構成員同士の交流の場としての役割のみならず、地域社会と大学における知的交流の接点としての役割を果たすべく、共同利用できるオープンイノベーションラボの整備やキャンパスにおける実証実験の場(リビングラボ)としての活用等、交流スペースの整備とともに仕組みづくりを検討する。• 従来、図書館に併設する例が多かったラーニング・コモンズが近年では図書館の枠を超え、キャンパス全体の交流機能を担うように変化してきた。オープンコースウェア※1やMOOC※2などによるリカレント教育等の今後の教育のオープン化を見据え、アクティブラーニングやオンライン授業等の新しい教育の在り方に対応した場への活用も検討する。• 近年シェアハウスやシェアオフィスをはじめ多様な「シェア空間」が登場している。交流スペースの整備では、空間を多様な主体が様々な意図で重ね使い(シェア)することで偶発的な新しい発見を得られる空間となるように配慮する。• そのため計画に際しては、コミュニケーションを促進する什器の対面配置(ソシオペタル)や視線等が干渉しない配置(ソシオフーガル)を参考にするなど、個人間での距離感の調整を可能とする空間的な検討を行うことで、居場所の確保とともに他者との一体感が得られるように配慮する。• これら交流スペースは将来にわたって学内構成員並びに地域住民が自由な発想の下に活動し随時更新できるフレキシブル且つオープンな場とする。• 「Public」には「自己と他者をつなぐ」という意味とともに、「公開されている(誰もがアクセスできる)」との意味も含まれている※3。全学共用交流域に面する建物では、低層部の視覚・動線的な開放性に配慮することで大学と地域社会との接点を確保するよう努める。• 特にエントランス周りへの滞在空間の確保や、ピロティや庇空間等の半屋外空間の整備により、屋内外を一体利用しやすい環境を構築する。• 交流スペースは災害時の一時避難場所としても機能するように立地・仕様・規模について配慮する。また災害用トイレ対応型ベンチの採用や、日除けの設置による内部空間への転換など、屋外環境要素の多機能化も検討する。• 交流スペースでの学びを促進させるため、屋内外の垣根を越えた無線LANの整備等、デジタルユニバーシティ構想の進展に合わせた情報インフラの整備を進める。• 全学共用交流域の交流の拠点となっているグリーンベルト周辺の構内道路においては、東海機構プラットフォームの整備に併せて歩行者空間化を進めることで、屋内外との繋がりを意識した計画とする。※1 オープンコースウェア:大学等で正規に提供された講義とその関連情報のインターネット上での無償公開活動を言う※2 MOOC: Massive Open Online Course の略で、大学の授業をインターネットに公開し、誰でもインターネットを介して受講できる大規模公開オンライン講座のことを指す※3 「都市から考える公共性」今田高俊, 金泰昌. 東京大学出版会. 20040493|6か年における実施計画❶ 交流・共創機能の整備❷ 空間の専有からシェアへの転換による居場所の形成❸ 建物内外をつなぎ交流を誘発するデザイン❹ 災害時の一時避難場所への転換❺ 情報インフラの整備❻ 全学共用交流域に沿った交流スペースの整備

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