キャンパスマスタープラン2022
66/142

• 鶴舞キャンパスは隣接する鶴舞公園と一体で計画されており、軸線等の構成も踏襲されてきた歴史がある。病棟前の公開空地の整備に際しては、鶴舞公園のコンテクストを踏まえた計画とする。昨今のコロナ禍を踏まえ、本学でも感染拡大防止と学修機会の継続を両立するため、オンラインを用いた様々な取り組みが進められている。しかしオンラインの有効性が示された一方、空間を共有しなければ対応が困難なことや成果が生じにくいことなど、場の重要性も改めて認識された。また「第5次国立大学法人等施設整備5か年計画(2021〜2025年度)」では、「キャンパス全体が有機的に連携し、あらゆる分野、あらゆる場面で、あらゆるプレーヤーが共創できる拠点『イノベーション・コモンズ』の実現を目指す」と示されており、キャンパス全体を「コモンズ(共創の場)」とすることでイノベーションを通した地域社会への貢献の在り方を模索している。このように、キャンパスには学内構成員をはじめ社会の様々なステークホルダーによる知的交流・協働の場の必要性が指摘できるが、一方で他者との交流により自身の存在を認識し、安心感や自尊心を形成できる“居場所”も必要とされている。しかしこのような空間の在り方は未だ未成熟であり検討が求められている。これらを踏まえ、交流スペースの計画においては建物内外の関係性の調整を図ると共に、空間利用を専有からシェアへ転換しオープンな場とすることで、多種多様な人々が対話・交流・思索し居場所となる場を整備する。また、障害者、留学生、外国人教職員、地域住民等の多様な来訪者が想定されることから、アクセスしやすい開放的で安全・安心を与える計画とする。• 昨今の新規建物の建設に伴う空地の減少、また建物内部においても既存の研究室・講義室が優先配置されており、交流スペースが不足している。• キャンパスの骨格に沿った構内道路やオープンスペースが駐車場として占拠されており、安全面で課題があるほか、交流スペースとして機能していない。• 多くの既存建物では関係者以外には閉鎖的である。開放性・アクセス性の高い空間構成が望まれる。• 豊田講堂やその他多くのホール等公開施設は関係法令や運用上の問題、また、各施設が所管部局の管理であることによる予約等手続きの煩雑さや施設使用料の高さから学内外の利用に支障が出ている。大幸キャンパス• 昨今の留学生宿舎に伴う芝生広場の整備も進んだが、芝生広場における憩いの空間や国際交流の場となる交流スペースを整備する。例えばキッチンカーによる飲食機会の提供を受け入れる半屋外空間の整備や地域交流カフェの設置等を検討する。1|中期的な目標2|点検・評価と課題❶ キャンパスの建て詰まりの進行と交流空間の不足❷ オープンスペースの駐車場化❸ 交流の拠点や交流ゾーンに面した建物接続域の閉鎖性❹ 公開施設等の運用改善0483-1-2 交流スペース

元のページ  ../index.html#66

このブックを見る