キャンパスマスタープラン2022
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2021年5月時点の本学の保有面積※1は、東山キャンパスでは約49.3 万m²(必要面積※2約54.6万m²)、鶴舞キャンパスでは、約21.8万m²(必要面積約21.7万m²)、大幸キャンパスでは約3.1万m²(必要面積約2.5万m²)で、6年前に比べ大学全体で約2.3万m²増加している。整備率としては約96%で順調に整備が進んできたと言える。一方、保有面積の増加に伴い、施設を維持するための施設運営費(光熱水費、修繕・保全・清掃等の維持管理費の合計)の増加を招き、2020年度においては年間50数億円に上った。これは、本学の総支出の約5%(人件費、診療経費、施設整備費を除く支出の約15%)にあたり、教育研究経費を圧迫している。また、東山・鶴舞キャンパスでは建て詰まりが進行し、新たな建設用地が無いことが問題となっている。さらなる教育研究の活性化を実現するためには新たな施設整備が必要な場面もあるが、維持管理経費削減の観点からも、今後は可能な限り既存施設を最大限有効活用して、施設の長寿命化とスペースの再配分を図るとともに、建て替えの際などは、集約化や減築を図る等、保有面積の最適化を図ることが重要である。文部科学省において、施設の長寿命化に向けた基本的な考え方が示され、施設の耐用年数は100年程度 (80〜100年)を目標と考え、20〜25年程度の間隔で性能維持改修(設備(空調等)の更新や屋上・外壁 等の改修)を実施し、建築後40〜50年後には機能改修と併せた大規模改修を実施することとされた。本学においても、文部科学省の方針を踏まえ、「建物の長寿命化」へ転換を図る必要があり、この度、ライフサイクルスパンの見直しを含めインフラ長寿命化計画の見直しに着手したところである。フレームワークプランの基礎となる30年後も維持される建物について、ここではCMP2016の考えを踏襲し、少なくとも新耐震基準(1981年6月以降に竣工)の建物については30年後も使用すると仮定し、それ以前の建物については、長寿命化を計りつつ状況に応じて改築も検討する。なお、豊田講堂、古川記念館などの歴史的価値のある建物などは、上記に限らず長期的に保存を図るものとする。各キャンパスにおいて、新耐震基準または記念建物・寄附建物は図2-7の通りで、東山キャンパスでは、約28.6万m²(58%)が、鶴舞キャンパスでは約20.6万m²(94%)が、大幸キャンパスでは約1.9万m² (61%)が該当する。東山の42%、大幸の49%が旧耐震基準で建築された築40年以上となっており、長寿命化に向けた課題も大きい。なお、劣化が著しく構造体の耐久性が確保できない施設や、小規模施設等で集約化した方がコストの縮減が可能な施設、機能上の問題が著しく新たな教育研究ニーズへの対応が困難な施設については、目標耐用年数を待たずに改築や減築について検討を行う必要がある。※1 保有面積:所有建物及び借用建物の面積を合計した現有面積から、基準日時点では未だ取り壊していない建物の面積を合計した未壊面積を除き、基準日時点では完成していない建物の面積を合計した未完面積を加えた面積で、整備計画上使用する予定の建物。※2 必要面積:「国立大学法人等建物基準面積算出表」により定数から算出する基準面積と、基準面積算出が困難な特殊施設及び、面積 区分の各項目にない施設等の面積で、収容機器寸法から合理的に積算された加算面積を合計した面積。0221|保有面積のビジョン2|施設の築年数と長寿命化2-1-5 保有面積と長寿命化のビジョン

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