学術憲章には基本目標として「社会的貢献」が掲げられていることに加え、アカデミックプランでも、 「グローバル展開」が最重要課題として、教育・研究・社会貢献の各項目に掲げられており、留学生の増加や国際的に通用する人材の育成を支えるキャンパス環境の構築が必要である。また、この地域における「産学官連携を含む多様な連携」も重要なテーマである。周辺地域や自治体との共存、景観の調和のみならず、 周辺住民との活動面での協調につとめながら、状況の変化に柔軟に対応する。すなわち、大学単体として の活用にとどまらず、大学間連携、地域連携、産学官の連携スキームの中で「知のコモンズ」としてキャンパスを位置づける。地球環境問題の解決のためには、教育研究面での大学の役割は欠かすことができない。本学は、「名古屋大学環境方針」を掲げ、地球環境問題に真摯に取り組んでいる。キャンパスの施設整備や運用にあたっては、カーボンニュートラル実現を見据えたキャンパスを目指し、地域社会に模範を示し社会に貢献する。上記の計画コンセプトに基づく、フレームワークプランやアクションプランを具現化していくためには、 それを推進する仕組みと体制の構築が必要である。CMP2022では、ライフサイクルとしての施設の維持管理、スペースの戦略的活用といった、(1)大学経営に貢献するファシリティマネジメント(FM)から、(2)建築物や屋外環境整備のデザインマネジメント(DM)、 (3) キャンパスのカーボンニュートラル実現のためのエネルギーマネジメント(EM)まで、整備から運用に至る相互に補完しあう一連の業務を、一貫した経営理念に基づくマネジメントとしてとらえ、これらを総称して「キャンパスマネジメント」と呼び、その実行を運営コンセプトする。(各マネジメントの内容については 4 章に記述する)大学の最大の資産はもちろん人だが、その活動を支えるキャンパスも大事な経営資源である。キャンパスや施設という資源をどのように活用して、大学のミッション達成に貢献するか、これが「キャンパスマネジメント」である。つまり、予算を獲得して闇雲に施設を整備するのではなく、アカデミックプランに基づき、しっかり大学の目指すべき戦略を見据えたゾーニングや実行体制を整えた上で、計画コンセプトに基づき、着実に施設の整備や運用を行う。さらに、実務における成果を検証し、次のCMPや整備・運用に成果をフィードバックするという、マネジメントサイクルが相互に補完し合う、大きな循環の仕組みとしてキャンパスマネジメントを行うことが、この CMP2022の要である。0112|知のコモンズとしてグローバル&ローカルに多様な連携を支援するキャンパス3|カーボンニュートラル実現を見据えたキャンパス▲図1-4 キャンパスマスタープラン2022のコンセプト1-3-3 キャンパスマスタープランを実現するためのキャンパスマネジメント
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