キャンパスマスタープラン2022
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を図る」ことを目標としている。中期計画では、東海機構プラットフォーム、糖鎖生命コア研究拠点施設、地域連携グローバル人材育成拠点施設(工学部新 7号館)の整備、及び、DX 推進を下支えする情報通信網や電気設備の増強を具体的に挙げている。また、新たな教育研究ニーズに対して、 保有資産を最大限活用し、機構長自らの裁量で配分できるスペースを確保するために、スペースチャージ や講義室等の予約管理システムといった新たなスペースマネジメントの仕組みを導入、さらに、既存施設 を最大限有効に活用するために、効率的かつ計画的に改修・維持管理を実施し、東海機構としての新たなインフラ長寿命化計画※1 の達成度を100%にすることを計画に掲げている。本学では、学術憲章に基づき「名古屋大学キャンパスマスタープラン大綱」を 2000年に制定した。これは、キャンパスの理念を明示したものであり、長期・中期の目標や計画の策定に際して常に遵守されるべき指針である。大綱には「名古屋大学学術憲章に定められた基幹的総合大学としての責務を持続的に果たすため、知の創造と交流を促すキャンパスを創出する」という理念のもと、「個性的で開かれたキャンパス」、「知の創造を促すキャンパス」、「知の交流を促すキャンパス」という 3 つの基本目標を実現することとしている。また、この基本目標実現のために「全学的協力による一体的な整備」、「土地・施設の弾力的な活用」、「計画・管理・評価体制の確立」という 3 つの基本方針を掲げている。CMP2022は、この大綱の基本目標を具体的な計画まで落とし込み、基本方針をマネジメント戦略として具現化することによって、目標の実現を図るものである。東海機構は、機構全体の教育研究活動の推進を支える基盤として、安心・安全で高機能な施設の確保・維持を図ることを目的に、中長期的な視点で施設マネジメント方針を定めている。東海機構が設置する大学 は、本方針をふまえキャンパスマスタープランを策定し、効率的かつ効果的な施設マネジメントを推進することとしている。(具体的な方針とこれに基づくキャンパスマネジメントについては 4 章に記述)初めてのCMP(暫定案)となった「東山キャンパスのデザインガイド〜第一次マスタープランとその考え方(1995)」では、空間の骨格や建築の特徴からデザインガイドラインを提案した。その後、全学合意を得た「キャンパスマスタープラン1997」では都市や地域との共生を掲げ、「キャンパスマスタープラン2001」 では新たに定められた大学憲章に基づく全学的協力を謳い、「キャンパスマスタープラン2005」ではファシリティマネジメント(FM)による大学経営への貢献というように、キャンパスマスタープランでは毎回時機に応じた主眼を定め、不変的に継承すべきものに蓄積を重ねて進化を続けている。継承すべき最も重要なものは、東山キャンパスであれば、豊田講堂から西方への都心部へと広がるキャンパス軸となるグリーンベルトであり、豊田講堂の背後に広がる名古屋の広域の東部緑地の一角を担う保存緑地という都市スケ ールをもつ空間の骨格である。また、CMPの方針を具現化するためには、計画を確実に実行するためのPDCAによるマネジメントが重要である。CMP2016では、アクションプランにおいて財源ごとの目標を掲げるとともに、中間及び最終時点での進捗状※1 インフラ長寿命化計画:インフラの維持管理・更新等を着実に推進するための中期的な取組の方向性を明らかにすることを目的として、対象施設、計画期間、現状と課題、中長期的なコスト見通し、取組の方向性等を定める行動計画と、個別施設毎の具体の対応方針を定める個別施設計画を指す。政府全体の取組みとして策定された「インフラ長寿命化基本計画」を踏まえ、文部科学省が策定した「文部科学省インフラ長寿命化計画(行動計画)」において、国立大学法人の取組として、行動計画と個別施設計画を策定することが示されている。0041|キャンパスマスタープラン大綱2|東海国立大学機構施設マネジメント方針3|キャンパスマスタープランの継続的進化1-1-3 キャンパスマスタープラン2022の上位計画

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