1|建築設備の計画的更新と創エネ設備の導入カーボンニュートラルに向けたキャンパス整備の基本方針は、エネルギー使用量を「減らす」、再生可能エネルギー利用を「増やす」ことにあるため、以下3点を重点的に取り組む。❶ 空調・照明機器の計画的な設備更新 ❷ 新築・改築ならびに大規模改修時のZEB化 ❸ 太陽光発電など再生エネルギーによる創エネルギー設備の導入2| コミッショニングによる建物エネルギー性能の品質確保建設・大規模改修時には、引き続き名大型インハウス・コミッショニングを適用し、設計時のエネルギー性能目標値の設定、これを実現するための設計検討ならびに設計・施工・運用時の性能確認を行って投資対効果の最大化を目指し、快適かつ省エネ性の高い、良質な学内施設ストック形成に務める。既存建物の特に実験用の空調・換気システムについては、必要に応じてレトロ・コミッショニング(既存設備のコミッショニング)を実施して運用時のチューニングやの運転制御の改善・適正化を図る。また、 一般化できる取り組みについては、全学的に水平展開を行ってエネルギー使用削減に努める。1|エネルギー管理からCO2排出管理へ キャンパスのカーボンニュートラル化を推進するにあたり、その管理指標はCO2排出量となる。事業者のサプライチェーン排出量※1算定に関する国際規約(GHGプロトコル※2)が取り決められ、事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる温室効果ガス排出量の算定と管理が求められる時代に移っている。 大学運営においても、構成員の通勤や出張に伴うCO2排出管理を行う事例が国内外で見られる。本学でも、 この将来的な対応やライフサイクルCO2をもとにした建設建物の評価など、カーボンフットプリント※3を用いた、CO2排出量の見える化に対応する準備を行う。2|多様なカーボンオフセット・メニューの創出キャンパスのカーボンニュートラル化を推進するメニューは、エネルギー削減に留まらない。大学が持つ森林資源や牧草地などをCO2吸収源として土地活用する方法や、再生可能エネルギー発電設備と農業を両立するソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)などの仕組みを地域や企業と連携して構築し、新たなカーボンオフセットの手段を創出・適用することにも積極的に取り組む。また、キャンパスを生きた研究フィールドとして活用し、本学で研究開発される技術の実証・実装や、 これらの活動を通じた人材育成に取り組み、キャンパス・リビングラボラトリの実践を推進する。建物設備の定期更新20年を目安に行って、各時代のトップランナー機器の採用により、エネルギー消費削減を図る。また、この更新については学内外の財源を求め、リースやサブスクリプションなど、多様な方法を模索する。鶴舞キャンパスの中央熱源システムをはじめ、ESCO事業等による外部資金を用いた大規模かつ高い省エネルギー効果が期待できる取り組みについては、事業検討を積極的に行う。新築・改築ならびに大規模改修時のZEB化は、公共施設が率先して推進すべき取り組みであるため、 建物性能としてZEB基準の水準を目指した計画を基本とする。自家消費型の太陽発電設備の導入では、自己資金による整備にも限界があるため、多様な財源に依る整備を前提に大規模導入を図る手段を検討、整備する。※1 サプライチェーン排出量:事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量のこと ※2 GHG プロトコル:温室効果ガス排出量の算定と報告の基準のこと※3 カーボンフットプリント:商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を CO2 に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組み0944-4-2 カーボンニュートラルに向けた基本的な取り組み4-4-3 カーボンニュートラルに向けた新たな戦略
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