キャンパスマスタープラン2022
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13世紀初頭にヨーロッパで誕生した大学は、中世・近世・近代を超えて社会における知の拠点として存続し800年の歴史を持つ。デザインマネジメントとは、創立90周年に満たない本学において、今後100〜200年先にも誇れるキャンパスを持続すべく、主に文化的価値の観点から長期的視野に立ち、キャンパス空間の質を持続及び向上させるためのデザインのマネジメントである。すなわち、本学の豊かな文化を象徴し、価値を高めることで長期的に愛され、環境的および経済的負荷を低下させるデザインを、イニシャルコスト※1などの短期的視点とのバランスのなかで求めていくことである。本学キャンパスのデザインマネジメントは、1 .立地/規模/用途に応じてマネジメントプロセスを定めること、2 .施設性能検証を行うコミッショニングの手法を本学独自に最適化し導入すること、 3 . 建物や外構のデザインや、サイン、ユニバーサルデザインにおいて共通のガイドラインを定めて運用すること、そしてこれらによって個々のプロジェクトの質を高め、建築や景観、環境性能、屋外環境の質を可能な限り向上させる取組みを行う点に特徴がある。なお、このプロセスは、補助金か寄附かといった予算の種別に関わらず、キャンパス内で計画される全ての建築・外部空間のデザインに適用する。キャンパス内の「立地」、および延床面積による整備の「規模」、実験室か公開施設かといった「用途」によって、重点的にデザインマネジメントを行う事案を定め、それぞれに応じたプロセスによりプロジェクトを推進する(図4-8)。なお、原則としてすべてのプロセスにおいて企画段階におけるキャンパスマネジメント推進本部での了承が必要となる。立地は、貴重な緑地やオープンスペース、景観を損なわない事を前提に、CMP2022でキャンパスの骨格を示す「交流ゾーニング」図に基づいて判断する。※1 イニシャルコスト:建物を建設する際に必要な設計費用や建設費用など建物が完成するまでに必要な初期費用のこと085▲図4-8 デザインマネジメントのプロセス区分と確認・配慮事項またプロセスS/A/B/Cに該当するプロジェクトは、以降に述べる「体制」「評価の視点」「発注方式」 「コミッショニング」を用いて推進する。1|立地/規模/用途に応じたプロセス分類4-3-1 デザインマネジメントのプロセス4-3 デザインマネジメント(DM)

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