キャンパスマスタープラン2022
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財源の多様化による財政基盤の強化のため、2017年 7月に財務・施設担当理事を筆頭とした学内組織「財務戦略室」を設置し、大学保有不動産の活用、ネーミングライツ等収益事業の検討推進体制の強化を図った。また、CMP2016の時点では、宿舎等施設は利用者の区分(職員、留学生、日本人学生等)によって異なる部署が管理を担当していることが課題であったが、2020年 1月の事務組織の見直しにより、施設課(資産担当・当時)にて宿舎等施設の一元管理を行うこととし、業務効率並びに利用者へのサービス向上を図った。このコロナ禍において、留学生の入国困難等により、留学生宿舎の入居率の確保が大きな課題となったため、 日本人学生の入居戸数を増やすなどで臨時対応を行ったところであるが、今後も一元管理体制のメリットを生かし、宿舎の種別に関わらず、弾力的な入居者選定等の運用が図れるよう、規程類の見直しを進めていく必要がある。本学が保有する職員宿舎は、法人化以前に公務員宿舎として設置されたもので、建設当時から住宅事情や社会情勢も大きく変化している中で、現在の宿舎の存在意義、また老朽化した宿舎の更新や維持にかかる財政負担などを勘案し、2019年 2月の役員会において、職員宿舎の削減に係る基本方針が決定された。この削減方針により、2028年度末までに築年数が 50年を超える宿舎(猪高町宿舎、幸川町宿舎、杁中住宅、陶生町宿舎、平針住宅、平針宿舎(A棟〜D棟)、矢田町宿舎)を廃止対象宿舎とし、2028年度末まで に順次廃止する。また、老朽化や耐震性等に問題がない宿舎については、継続使用することとするが、入居率を勘案しつつ本学の業務の遂行上必要な宿舎に限定していき、必要性が乏しくなった宿舎は適宜廃止することも検討する。一方、緊急参集用等、本学の業務の遂行上必要な宿舎については、継続的に保有する方針であり、今後も適切な維持管理や現在の利用者属性やニーズに即した機能改善、建て替えなどを計画的に実施していく必要がある。そのためには、賃料の値上げや収益施設の設置検討など、財源確保策の検討を進めるとともに、事業が効率的かつ継続的に推進できるよう、PPP※1/PFI※2 など民間事業者の資金やノウハウを活用した手法の導入検討など多角的に検討を進めていく。CMP2016策定以降も、未利用地の有効活用と財政基盤の強化のため、旧太陽地球研の研究施設として利用していた豊川団地の一部売却や、外国人研究者用宿舎としての機能を終えた中山町団地、高田町団地の売却などを進めてきたが、2017年 4月の国立大学法人法の改正により、土地等の貸付認可を受けられるようになったため、より多様な選択肢の中から、最も適切な資産の有効活用策を選択できることとなった。法人法改正以降、本学において土地の貸付認可を取得した事例が既に2件あり、直近では、老朽化等により留学生宿舎の廃止を決定した陶生町団地において、マンション用地として貸付を行っている。今後も、前述の宿舎の廃止に伴う跡地利用も含めて、土地の売却、貸付等、財政基盤の強化や教育研究の発展にとって最も適切な活用を採ることとする。加えて、建物の有効活用においても、ネーミングライツの推進や、講義室、会議室等を積極的に外部貸付するなど、収益事業の検討を引き続き進めることとする。※1 PPP:公民が連携して公共サービスの提供を行うスキーム。PPP の中には、PFI、指定管理者制度、市場化テスト、公設民営(DBO) 方式、さらに包括的民間委託、自治体業務のアウトソーシング等も含まれる。※2 PFI:PFI 法に従い、公共施工等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間 主導で行うことで、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るもの。0841|アセットマネジメント推進体制の強化2|職員宿舎の保有・廃止計画3|その他の資産(土地・建物)の有効活用

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